【2024年最新版】今更聞けない? フリーランス薬剤師 になる方法
薬剤師として、病院や薬局で働くことは一般的ですが、近年、 フリーランス薬剤師 として独立する人が増えています。2020年には、うつ病患者が40万人から150万人と約4倍に増加し、ストレス社会で働く薬剤師の働き方も変化しつつあります。
この記事では、フリーランス薬剤師の仕事内容や必要な手続き、そしてメリットとデメリットを詳しく解説していきます。従来の働き方に縛られず、自由な働き方を求める薬剤師にとって、フリーランスは魅力的な選択肢の一つです。あなたのライフスタイルに合った働き方を見つけるために、ぜひ参考にしてください。
フリーランス薬剤師 の仕事内容とその特徴4つ
フリーランスとして働くことを検討している方は、具体的な仕事内容や特徴について知りたいのではないでしょうか? この記事では、フリーランス薬剤師の仕事内容を具体的に解説し、その特徴について詳しく紹介します。
フリーランス薬剤師 とはそもそも何か
フリーランス薬剤師とは、病院や薬局などの組織に所属せずに独立して働く薬剤師のことです。 企業と雇用契約を結ぶのではなく、個人事業主または会社を設立して、業務委託契約に基づいて仕事を受託します。
従来の薬剤師のイメージは、白衣を着て、病院や薬局のカウンター越しに患者さんと接する姿かもしれません。しかし、フリーランスとして活動する薬剤師は、働く場所や時間を自由に選択できるため、従来の薬剤師の働き方にはなかった、自由度の高さが魅力です。
例えば、結婚や出産を機に、勤務時間や場所の融通が利く働き方を希望する薬剤師もいるでしょう。フリーランスとして働いていれば、そのようなライフイベントにも柔軟に対応しながら、薬剤師としての経験を活かすことができます。
フリーランス薬剤師 の日常業務
正社員や派遣と同じように、フリーランスで働く薬剤師の日常業務も、大きく分けて「調剤業務」「服薬指導」「薬剤管理指導」「その他業務」の4つに分類できます。
- 調剤業務: 病院やクリニックから発行された処方箋に基づいて、患者さん一人ひとりに合った薬を調剤します。 フリーランスの場合、いろいろな薬局での勤務経験を積める為、複数の医療機関の処方箋を扱う機会があり、さまざまな症例や薬剤に触れることができます。これは、特定の病院や薬局に勤務する薬剤師では、なかなか得られない経験です。
- 服薬指導: 患者さんに対して、薬の効果や副作用、飲み合わせなどの注意点について、わかりやすく説明します。 患者さんとのコミュニケーションを大切にし、安心して薬を服用できるようサポートします。
こちらもフリーランスの場合は勤務先によって扱う処方箋の種類が異なるため、豊富な経験を積むことができます。 - 薬剤管理指導: 患者さんのお薬手帳を確認しながら、薬の服用状況や副作用の有無などを把握します。 必要に応じて、医師や他の医療従事者と連携し、患者さんの状況に合わせた薬物療法の調整を行います。
フリーランスの場合は派遣と異なり、正社員と同じ様に患者さんの自宅や介護施設に訪問して薬剤管理指導を行う可能性もあります。 - その他業務: 上記以外にも、薬局の運営に関わる業務や、地域の健康相談、学校薬剤師、医薬品開発など、幅広い業務を行うことができます。 自分の専門知識や経験を活かせる仕事に、積極的に挑戦することができます。
また、最近では派遣の薬剤師には任せることが難しい【在宅業務】と呼ばれる、在宅医療・在宅介護を実施している患者の自宅に訪問して投薬・配薬業務を行うことを依頼されるケースも増えております。
フリーランス案件を見つける方法
フリーランスとして働くためには、自分で案件を見つける必要があります。 そのためには、積極的に営業活動を行うことが大切です。
薬剤師としての専門性を活かしながら、医療機関や患者さんのニーズを的確に捉え、信頼関係を築くことが、フリーランスとして理想的なキャリアを構築することに繋がります。具体的には、以下のような方法があります。
- 薬剤師専門の転職エージェントやマッチングサービスを利用する: 多くの求人情報の中から、自分の希望に合った仕事を探すことができます。 また、キャリアコンサルタントに相談することで、自分に合った働き方を見つけることもできます。特に最近ではフリーランス案件に特化したマッチングサービスも増えてきており、それらに登録することが一番手っ取り早くフリーランスになる道です。
- 製薬会社や医療機器メーカーなどに直接営業をかける: 薬剤師免許を持つ人にとって、何も薬局や医療機関で薬剤師として働くことだけがキャリアではありません。例えば製薬会社では薬剤師としての知識や技能を活かしたポジションが多くある他、化粧品メーカーも薬事の責任者のポストを募集していることがあります。これらの企業に直接営業をかけて業務委託として契約するという選択肢もあります。
- 個人でブログやSNSで情報発信を行う: 自分の専門性や実績を発信することで、仕事の依頼に繋げることができます。 また、同じ様にフリーランスとして活動する仲間と繋がりを持つことで、情報交換や仕事の協力体制を築くこともできます。
フリーランスとして成功するためには、薬剤師としてのスキルはもちろんのこと、営業力やセルフブランディング力など、さまざまなスキルが必要となります。
フリーランス薬剤師 になる為に必要な準備
フリーランスとして活躍したいと考えた時、どんな準備や手続きが必要なのか、具体的にイメージできない方もいるかもしれません。ここでは、フリーランスになるために最初に必要な手続きと資格について、詳しく解説していきます。
開業届の提出と手続き
フリーランスとして節税などのメリットを享受するためにも、まずは開業するための手続きが必要になります。
開業届は、個人事業主として税務署に届け出をする手続きです。開業届には、開業する事業の内容や事業主の氏名、住所、事業の開始日などを記入します。この開業届を提出することで、個人事業主として認められ、税務上もフリーランスとして活動していることが証明されます。開業届は、税務署に直接持参するか、郵送で提出することができます。
また、最近はオンラインで提出できる場合もあるため、ご自身の都合に合わせて提出方法を選択することができます。開業届を提出することで、青色申告を選択することができるようになり、税金面で優遇されるなどのメリットがあります。
賠償責任保険の加入方法
フリーランス薬剤師は、自分の責任で業務を行うため、業務中のミスによって患者さんに損害を与えてしまう可能性もゼロではありません。例えば、処方箋の内容を誤って解釈し、誤った薬を調剤してしまう、あるいは、患者さんへの服薬指導が不十分で、薬の副作用のリスクを適切に伝えられなかった、といったケースが考えられます。
このような万が一の事態に備えて、フリーランスで働くにあたっては薬剤師賠償責任保険への加入が必須と言えます。薬剤師賠償責任保険は、業務中の過失によって患者さんに損害を与えてしまった場合、法律上の損害賠償責任を負うことになった場合に、保険金が支払われるというものです。
薬剤師賠償責任保険は、様々な保険会社から提供されており、保険料や補償内容も多岐にわたります。そのため自身の業務内容やリスク許容度に応じて、最適な保険を選択することが重要です。保険会社によっては、フリーランス薬剤師向けのプランを用意している場合もあるため、よく比較検討するようにしましょう。薬剤師賠償責任保険に加入することで、万が一のトラブル発生時にも、経済的な負担を軽減し、安心して業務を継続することができます。
フリーランス薬剤師のメリットとデメリットを理解する5つのポイント
フリーランスとして独立しようか悩んでいる方は、メリットとデメリットをしっかりと理解しておくことが大切です。ここでは、収入面や働き方、社会保障など、知っておくべき5つのポイントを紹介します。
高収入の可能性とその条件
フリーランスで働くことで、正社員と比べて高収入を得られる可能性があります。時給で働く場合が多いため、自分の頑張り次第で収入を増やせることが魅力です。これは、企業に雇用されるのではなく、自身のスキルや経験を活かして、業務委託という形で契約を結ぶためです。業務委託の場合、雇用契約に伴う社会保険料や福利厚生費などの負担がなくなるため、その分報酬に反映されやすいという側面があります。
また、個人事業主として開業していると、様々なコストを経費として計上できるため節税効果が期待できます。
上手に制度を活用することで、額面以上に手取り額を増やして生活の質を高めることが出来る点も魅力です。
しかし、高収入を得るためには、いくつかの条件があります。薬剤師としての経験が豊富であること、専門性の高いスキルを持っていることはもちろん、薬局との良好な関係を築くことも重要です。薬局との信頼関係があれば、継続的に仕事をもらえたり、新しい仕事を紹介してもらえたりする可能性が高まります。
例えば、在宅医療に特化したスキルや経験があれば、在宅医療を必要とする患者さんが多く、薬剤師の人手が不足している地域では、高時給で仕事を得られる可能性があります。また、特定の疾患分野に関する専門知識があれば、その疾患を専門とする医療機関から、専門性の高い業務を任され、高収入に繋がる可能性もあるでしょう。
柔軟な働き方を実現する方法
フリーランスの大きなメリットの一つに、自分のライフスタイルに合わせて、柔軟に働く時間を決められることが挙げられます。これは、フリーランスという働き方が自分の裁量で仕事を引き受けるかどうかを決定できるためです。
例えば、午前中は家事や育児に時間を使い、午後は薬局で働く、といったことも可能です。また、週に数日だけ働きたい、特定の曜日だけ働きたいといった希望も、フリーランスであれば実現しやすくなります。
さらに、複数の薬局と契約することで、曜日によって働く場所を変えることもできます。このように、フリーランスは自分の希望する働き方を、ある程度自由に選択することができます。
社会保障の欠如について
正社員と比較して、フリーランス薬剤師は社会保障の面で不利な点があります。正社員や派遣社員であれば、健康保険や厚生年金に加入するのが一般的ですが、フリーランスの場合、自分で国民健康保険や国民年金に加入する必要があります。
また、会社員が受けられるような、有給休暇や産休・育休などの制度もありません。そのため、病気や怪我で働けなくなった場合のリスクなども考慮しておく必要があります。
このような社会保障の面での不安を軽減するために、フリーランス向けの保険商品や共済組合などが用意されている場合があります。
収入の不安定さとその対策
フリーランスは働く時間や日数によって収入が変動するため、収入が不安定になりがちです。特に、仕事が少ない月は収入が減ってしまうため、計画的に貯蓄しておくなど、収入の変動に対応できるような対策をしておくことが大切です。
収入を安定させるためには、複数の薬局と契約したり、スキルアップを図って仕事の幅を広げたりするなど、自分自身で工夫していく必要があります。例えば、薬局の閑散期である夏季や年末年始などは、比較的仕事が少なくなると予想されます。このような時期に備えて、他の時期に集中的に仕事をする、あるいは、在宅医療や医薬品情報提供など、他の業務と組み合わせることで、収入の減少をカバーすることができます。
必要なスキルと知識を増やす重要性
フリーランスの薬剤師として成功するためには、薬剤師としての専門知識やスキルはもちろんのこと、それ以外のスキルも必要になります。
例えば、自分で仕事を探すための営業力や、契約交渉を行うためのコミュニケーション能力、そして、確定申告などの手続きを行うための経理知識などが必要です。これらのスキルを身につけることで、より安定した働き方を実現できるでしょう。
特に、薬局との契約交渉では、自身のスキルや経験、希望する報酬などを明確に伝えることが重要です。また、契約内容をしっかりと確認し、疑問点があれば質問するなど、自身の権利を守るための知識も必要となります。
まとめ
フリーランス薬剤師は病院や薬局に所属せず、独立して働く薬剤師です。 自分のペースで働ける自由度の高さが魅力ですが、高収入を得るには薬剤師としての経験や専門スキルに加え、営業力やマーケティング力も必要です。 開業届の提出や賠償責任保険への加入など、手続きや資格取得も必要となります。 収入は安定せず、社会保障も充実していない点は注意が必要です。 しかし、フリーランスという働き方は、自身のスキルと努力次第で高収入や柔軟な働き方を実現できる可能性を秘めています。
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