フリーランス薬剤師とは?気になるポイントを徹底解説!

みなさんは、「フリーランス薬剤師」という言葉を知っていますか?
フリーランスという言葉自体は知っていても、プログラマーやデザイナーなど一部の職種しかなれないと、思っている方も多いのではないでしょうか?。
実は薬剤師の中にも、このフリーランスの働き方を選んで活躍している人たちがいます。 彼らが、「フリーランス薬剤師」と呼ばれている人たちです。

私達がこのビジネスを始めるきっかけには、あるフリーランス薬剤師の存在があります。
彼女は、複数の薬局と契約し、週に2回だけなど自分の都合に合わせて、訪問診療の服薬指導を行う仕事を引き受けていました。
また、薬剤師業務以外にも、医療系のライターとしても活動しており、自分の専門知識を活かして様々な働き方をしているマルチタレントな方でした。
タレント薬局は薬剤師としての働き方に迷っている方に、彼女のように自分らしく働いて自己実現していただきたい!という思いからスタートしております。

記念すべき第一回の投稿は、そんなフリーランス薬剤師について説明させていただきます。

目次

フリーランス薬剤師の仕事内容

フリーランス薬剤師として出来るお仕事は、大きく分けて2つあります。

  1. 薬剤師業務
    一般的にはこちらで、正社員や派遣と同じように薬局で薬剤師として働くお仕事です。
    業務内容も概ね普通の薬剤師と同じですが、派遣とは異なり契約内容次第では在宅医療に関する業務なども請け負うことが可能です。
  2. その他の業務
    派生型にはなりますが薬剤師の専門知識を活かして、薬や医療に関する記事を書いたり、講演をしたり、インターネットで情報を発信したりするお仕事もあります。 例えば、製薬会社の医療情報担当者として、医師や薬剤師向けに医薬品の情報提供を行ったり、医療系メディアで、薬に関する記事の執筆や監修を行ったりする仕事などがあります。
    どこかの薬局に正社員として勤務していると、副業規定や利益相反などで出来ない業務もありますが、フリーランスはそのあたりをあまり気にせず請け負えるのが魅力です。
  3. フリーランス薬剤師と雇われ薬剤師の違いは?

フリーランス薬剤師と、会社に雇われている薬剤師との違いは、大きく3つあります。

区分フリーランス薬剤師雇われ薬剤師(正社員・派遣社員)
働き方複数の薬局と契約して働く事ができる他、自分で仕事を選べます。
例えば、週に何日働くか、何時から何時まで働くか、どんな業務を行うかなどを自分で決めることができます。
1つの薬局や人材派遣会社と雇用契約を結んで働くことになります。
勤務日や勤務時間、勤務場所などは雇用主から指示されたものを守る必要があります。
給料仕事量や報酬を自分で選り好みできるので、努力とモチベーション次第でいくらでも稼ぐことが可能です。
一方で雇用主も契約を解除しやすいため、安定してずっと収入が得られるわけではない点は要注意です。
基本的には固定給で昇給幅も限られるため、大きく稼ぐにはより給与の高い職場に転職するか、長く働いて昇格する必要があります。
一方で日本では解雇されることは稀なため、安定して収入を得続けることが可能です。
休日・休暇雇用主との契約次第なため、ある程度自分の裁量を持って決めることが可能です。会社の規定に従う必要があり、どうしても従えない場合は解雇されるリスクもあります。
その他個人事業主となるため毎年確定申告が必要となります。ただ、悪い点ばかりではなく良い点としては青色申告が出来るようになるので、一部の出費が経費として認められて節税出来る点が挙げられます。
また、企業保険には入れないため、保険についても雇われとは異なった手続きが必要となります。
納税はすべて会社がしてくれる他、保険についても安定した企業保険に加入できる点は大きなメリットです。

このように、フリーランス薬剤師は、自由な働き方ができる代わりに、収入が不安定だったり、自分で確定申告や保険の手続きをしなければいけなかったりするなど、大変な面もあります。

フリーランス薬剤師のメリットとデメリット

フリーランス薬剤師という働き方は、従来の雇用形態とは異なる魅力とリスクを併せ持ちます。高収入や自由な働き方を求めてフリーランスを目指す薬剤師が増加する一方で、収入の不安定さや社会保障の面などを不安視する声も聞かれます。

これからフリーランス薬剤師を目指そうと考えている人は、メリットだけでなくデメリットもきちんと理解した上で、自分に合った働き方かどうかじっくり考えていきましょう。

フリーランス薬剤師のメリット

高収入を狙える

フリーランス薬剤師は、会社員である正社員薬剤師と比べて、高収入を目指せる可能性があります。例えば、時間あたりの単価3,000円以上の求人が紹介されていることも少なくありません。これは、パート薬剤師の全国平均時給が2,414円であることを考えると、かなり高いと言えるでしょう。

特に、専門性の高いスキルや豊富な経験を持つ薬剤師であれば、高単価な案件を受注できる可能性が高まります。例えば、特定の疾患領域に特化した知識を持つ薬剤師であれば、薬局でのお仕事以外に製薬会社の新薬開発に関わるコンサルティング業務を行う場合などは、さらに高額な報酬を得られることがあります。

自由な働き方ができる

フリーランス薬剤師は、自分のライフスタイルに合わせて、働きたい時間や場所を自由に選ぶことができます。例えば、「午前中は家事や育児に専念して、午後から夕方まで働く」「週に2~3日は趣味の時間に充てたい」「都会を離れて、自然豊かな場所で働きたい」といった希望も叶えやすくなります。

これは、子育て中の薬剤師や、介護をしながら働きたい薬剤師にとって大きなメリットと言えるでしょう。また、自分の興味関心に合わせて仕事を選べる点も魅力です。例えば、在宅医療に興味がある薬剤師は、訪問薬剤師としての仕事を中心に活動することもできます。

人脈や経験の幅が広がる

フリーランス薬剤師として働くことで、さまざまな薬局や医療機関と関わる機会が増え、自然と人脈の幅も広がっていきます。これは、将来、フリーランス薬剤師として独立する際に、大きな強みになるでしょう。

例えば、フリーランス薬剤師として複数の病院で経験を積むことで、それぞれの病院の薬剤部が抱える課題や、改善点などが見えてくることがあります。これらの経験を活かし、病院の薬剤業務の効率化や、患者さんへの服薬指導の質向上などに貢献することで、自身の市場価値を高めることができるのです。

フリーランス薬剤師のデメリット

収入が不安定

フリーランス薬剤師は、毎月安定した収入を得ることが難しいという側面もあります。なぜなら、フリーランス薬剤師は、働く時間や日数によって収入が変動するからです。体調を崩してしまったり、仕事が減ってしまったりすると、収入が減ってしまう可能性もあります。

特に、開業当初や、景気の影響を受けやすい時期などは、収入が不安定になりがちです。そのため、フリーランス薬剤師として活動していくためには、日頃から収入源を複数確保しておくなど、リスクヘッジをしておくことが重要です。

社会的な保障や信用が低い

会社員である正社員薬剤師は、厚生年金や雇用保険などに加入していますが、フリーランス薬剤師は、自分で国民年金や国民健康保険に加入する必要があります。また、フリーランス薬剤師は、社会的な信用が低いという側面もあります。例えば、住宅ローンを組む際、審査が通りにくい場合があります。

これは、フリーランスという働き方が、社会的にまだ十分に認知されていないことや、収入が不安定であるとみなされやすいことが原因として考えられます。そのため、フリーランス薬剤師として活動していくためには、社会的な信用を得られるように、確定申告をきちんと行うなど、信頼関係を築く努力を継続していく必要があります。

忙しくなる可能性がある

フリーランス薬剤師は、仕事の内容によっては、会社員である正社員薬剤師よりも忙しくなる可能性があります。なぜなら、フリーランス薬剤師は、仕事の依頼を受けてから、その仕事に必要な準備や段取りをすべて自分で行わなければならないからです。また、複数の仕事を掛け持ちしている場合、スケジュール調整が大変になることもあります。

特に、薬剤師としての専門知識やスキルを活かした、専門性の高い仕事を受注した場合などは、業務内容が複雑化し、多くの時間を必要とするケースも少なくありません。

フリーランス薬剤師になる方法

フリーランス薬剤師として働くためには、どんな方法があるのでしょうか? いきなりフリーランスになるのは不安…という方もいるかもしれません。 そこで、ここではフリーランス薬剤師になるための具体的な方法を2つご紹介します。

派遣や非常勤から始める

フリーランス薬剤師として働く前に、派遣会社に登録して、色々な薬局で働いてみる方法があります。薬局によって、薬の種類や患者さんの層が違います。 例えば、大きな病院の近くにある薬局では、珍しい薬を扱うことも多く、患者さんも高齢の方が多いかもしれません。糖尿病専門医のクリニックの門前にある薬局では、糖尿病の患者さんが多く来局し、血糖値を下げる薬やインスリン注射の指導を求められる機会が多いでしょう。一方、住宅街にある薬局では、風邪薬や胃腸薬など、身近な薬を扱うことが多く、小さなお子さんから高齢の方まで、幅広い年齢層の患者さんが訪れるかもしれません。小児科クリニックの門前にある薬局であれば、子供に飲ませやすい薬の剤形(粉薬、シロップなど)や、副作用についての知識が求められます。 このように、様々な薬局で働くことで、多くの経験を積むことができます。 また、派遣薬剤師として働くことで、人間関係を築き、フリーランスになった後も、仕事の依頼を受けやすくなるというメリットもあります。

薬剤師の副業として始める

フリーランス薬剤師として働くためには、薬剤師の仕事をしながら、副業として少しずつ始める方法もあります。
今の職場が許可をしてくれるのであれば、フリーランスでのお仕事は月数回程度からもスタート可能な案件も多数あります。実際に個人事業主としてフリーランス一本で始めるのは、それなりの勇気が必要になります。
まずは副業のつもりで始めて、自分の性格や気質にフリーランスの働き方が合いそうか試してみるのも良いかもしれません。

また、薬局で働くだけでなく、医療・薬学系のライターや動画編集者など、様々な形のお仕事が存在するので、まずはいろいろ副業でやってみるというのは良い選択肢だと考えています。

まとめ

フリーランス薬剤師は、例えるなら、自分自身を商品として、様々な薬局や医療機関に営業をかけていく働き方です。高収入や自由な働き方を手に入れられる可能性を秘めている一方、収入の不安定さや社会保障の整備など、乗り越えるべき壁も存在します。

例えば、調剤薬局勤務であれば、時給3,000円以上の案件も珍しくありません。週に数日、近所の薬局で働くだけで、会社員時代の収入を上回ることも可能です。さらに、医療ライターやオンライン服薬指導など、活躍の場は広がり続けています。

しかし、フリーランス薬剤師は、いわば “経営者” です。収入は仕事量に直結するため、自ら営業活動を行い、顧客との信頼関係を築きながら、安定した収入源を確保していく必要があります。また、年金や健康保険なども自分で加入しなければなりません。

フリーランス薬剤師として成功するには、薬剤師としてのスキルはもちろんのこと、経営者としての視点、そして、変化への対応力も求められます。フリーランスという働き方を選ぶ前に、派遣社員や副業で経験を積み、自分自身をしっかりと準備しておくことが重要です。

参考文献

令和4年分 民間給与実態統計調査(国税庁)

厚生労働省/フリーランス白書2018

A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続(国税庁)

令和4年賃金構造基本統計調査(政府統計の総合窓口)

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